oeuf a la carte, 卵と韓国

テグタン（鱈の辛い鍋）を食べた釜山の居酒屋のパンチャン（小皿料理）に
卵蒸し（ケランチム）があった。
子どもの頃はじめて作った韓国料理がケランチムだったかも...。
祖母が作るのを見て母が寝込んだ時作ってみた記憶がある。
やさしい味なので子ども向けかもしれない。
つくり方は茶碗蒸しよりかんたん。
卵3個くらいを溶き、水を大さじ3～5杯、しょうゆ（とみりん）小さじ1杯弱くらい
を入れて混ぜる。
好みで葱を小口切りにしたものや人参の千切り、
やわらかい韮を2cmくらいの長さに刻んだものを入れても美味しい。
これを土鍋に入れて弱火で蒸しあげるか、
器に入れて蒸し器で弱火で蒸す。
鍋のまま火にかけてつくると
底の部分のしょうゆの焦げた匂いも香ばしくて
おこげがごちそうだけれど
あとで鍋を洗うのがちょっとたいへんかも...。
韓国ではあみの塩辛でも味付けするらしい。

顔を打ってあざになりそうな時
卵（生卵）を打ったところに押し当て
やさしく肌の上をすべらせると（冷蔵庫で冷えた卵？）あざが残りにくいらしい（民間伝承）。
ドラマ「秋の童話」でウンソが
「ホテリア」でスンジョンがしていたそう。
この時使った卵は捨ててしまうので、清めの意味もあるのかもしれない...。

卵と言えば、
白いものは真っ白に洗いあげたいという韓国のオンマたちの
昔からの望みをかなえるような洗濯機、卵もゆでられる洗濯機というのが以前発売されていた。
砧で洗濯物を打ち、白いものは煮沸して漂白する習慣があるから
（ドイツの洗濯博物館でも洗濯物を煮沸する鍋が展示されているそうだ）
熱いお湯で洗濯物を真っ白に仕上げられる洗濯機の需要があったのだろう。
この洗濯機はお湯を熱くできるので「卵もゆでられる」というキャッチ・コピーだった。
スーツに白い靴下の会社員は欧米の感覚からは違和感があったが、
足袋などを真っ白に煮沸し洗いあげて履く習慣の名残のようだ（最近はあまり見かけない）。

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